自分の得意分野であるミキシング、マスタリングの仕事は、
近い将来ほぼ無くなるだろうと僕は感じています。もしくはもう大分無くなっているかもしれません。えらいこっちゃです(笑)
少し言い方を変えると、背景的に、ミキシングやマスタリングをサウンドエンジニアにお願いする「価値が低くなってくるのではないか」という事です。
背景の答えはAIで、「ああそうなんですね、やっぱりAIなんですね」
と簡単に思うかもしれませんが、僕の感覚ではここ2、3年くらいで「とんでもない
精度」をAIは成し遂げていて、それは勉強すればするほど、真実です。
慌てふためいてもしょうがないです。
熟練のエンジニアが1、2時間かけて、あるいは1、2日かけて完成させていた音と、
AIが「1、2分」で完成させる音質の「差」は、もしかしたら一般ユーザーは目隠しで聞けば分からないかもしれません。
少なくとも、その音質の差と、かかる費用を天秤にかけた場合、どちらを選ぶかは言わずもがなです。資金と機材が潤沢にあるケースは別の話です。
AIがそう成し遂げれるようにしたのは進化だし、サービスを作ったのは人間なので、
それを元に考察したいと思います。
LANDRというサービス、音楽業界にいる方なら見かけた事があるだろう、自動マスタリングサービスですよね。
僕は最初、「AIに負けるわけないやろ」と鼻で笑いましたが、知らないのはいけないなと思い一度試しに使ってみました。その時は「ふんふん、なるほどな、ジャンルによって音圧とかコントロールしたり、EQで派手にしてくれるのね」と思っていましたが、
期間が少しあいてまた使ってみると、そのビフォーアフターの結果というよりも、このシステム自体が、時代性とか、多角的にみると現代のサービスとしてほぼ完璧だなと思いました。
寝ながらにして、世界中にマスタリングの釣り竿をかけている事だけでも、正直ぐうの音もでません。
つくった人は天才としかいいようがないですし、友達になりたいです。
今求められているマスタリングは、間違いなく上にあるような各配信サービスにあった適切なラウドネスやダイナミックレンジを整えることで、未だにCD時代のようにEQや音圧をあげることしか作業していない人は、勉強不足だと思います。
果たしてDTMの世界では、こういったサービスとサウンドエンジニアの手によって行われる作業の違いをどのように次の次元にもっていくか、次の記事からも考えていきたいと思います。
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